俺と某の電撃戦

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【書籍】手を変え品を変え世界に残り続ける奴隷制 現代の奴隷

 同じ職場の上司とか歳離れた人とYouTubeの話をしてる時に、相手の話の内容にほぼ毎回共通していることがあることに気付いた。ほぼ必ずお金の話のくだりがある(スパチャ・広告の概念や投稿者・配信者の収入源等)。なんかこの気付きを得られたのはなんというか嬉しいというか達成感というか学びというかw。




 今回の本はコチラ↓。



 現代の奴隷――身近にひそむ人身取引ビジネスの真実と私たちにできること


なんとも恐ろしいタイトルですね……


 単純にアンダーグラウンドな事柄を題材にした本を好んでよく読んでる節もあるってもあるけど、この本を知ったきっかけは昔オリラジのあっちゃんがトークチャンネルでこの本を紹介してたのを思い出して手に取ってみた次第です↓。



www.youtube.com


 動画中で言ってた「人類は改心したのではなくてより狡猾になったんじゃないのか」という言葉が割と気に入っていて、その感想に至ったこの本がどんなものなのか気になったんですね。余談だけどあっちゃんの言葉では「人は何にでも怒れる」という言葉も好き。


 現代にも蔓延っている人身取引という名の奴隷制について3人のサバイバー(奴隷状態から脱した人たちを本書ではこう呼称している)の体験談や事例から人身取引の現状やその解決のために行われてる活動、解決策について紹介・提起している一冊。現代では主に借金を負わされたことによる強制労働と性的人身取引がメインとなっているようです。


 現代に至っても鎖で物理的に繋がれてないことを除いたら有史以来奴隷制の本質的な現状は何も変わってないんだなというのが私の全体の感想ですかね。紹介されている3人のうちの1人が人身取引された舞台が日本であったことや、中にはR-18の創作でしか見ないようなえげつないことも普通に行われてるというのもあって、正直「うわぁ……」って思う内容もありました。奴隷制や人身取引というと新興国で起きてるイメージがあるけど、日米欧といった先進国でも普通にあるということのようです。


 文中にもあった


「およそすべての国のすべての産業において、奴隷制がいかに絶え間なくその姿を変化させ、奴隷所有者たちがいかにずる賢く抜け目なく策略をめぐらせることか。(中略)強制労働の人身取引加害者は、契約という現代の労働慣習を用いることで、人身取引の実態を、被害者(実際何が起きているのか、後になるまで理解できない)からも、当局からも(たとえ気づかれそうになっても)、隠そうとする。」


というのが凄く納得がいったし、これがあっちゃんの言ってた「人類はより狡猾になったんじゃないのか」を捉えてる一つだと思いました。奴隷制が禁止されたからじゃあこれで解決ということではなく、それに対して加害者側も手を変え品を変えて表面上は「奴隷」って言っていないだけで、被害者側や周囲に事実上の奴隷の身分に落とされていることを悟られないように働かせているってことですね。


 そう考えるとブラック企業や外国人技能実習制度の悪用も似たようなものだと思ったし、前述の通り日本にもしっかり存在してるってことだと感じました。ブラック企業においては強制労働ではなく辞めることはできるかもだけど、会社側に安定した生活を質に取られてるという点では本質的に一緒のような気がしたり。そういう点では(違うとは信じたいけど)自分だって100%違うとは言い切れないから、自分の現状を疑いつつ気にしつつもこれからも働いていこうねぃ。


 あとは私たまに自分でコーヒー挽いて淹れることがあるのだが、こういうとこでもちゃんとした環境で生産された適正なコーヒー豆か(フェアトレード)という話題が出たりとするので、思い返すと意外と身近な話題だったりするのよね。


皆さんの身近なものだとファストファッションとかでもよくそういう話題が出ますね


 本書で語られてるような本格的な行動……とまではいかなくとも知識として知っておいて、(自分が当事者ではなくとも)そういった状況に触れることがあった時に何かしら考えて行動できるようにはしておきたいと思う内容でした。




 ……珍しく大真面目に書いてしまったなw。それほど語りたい内容の本だったってことです。




 以上、現代の奴隷の話でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。