今回の本はコチラ↓。
これから勉強する人のための
日本一やさしい法律の教科書
教科書と書いてあるから専門用語や難しい解説の羅列をしているだけかと思ったがそういうわけでもなく、著者とポチ君の対話方式で六法の基礎知識と共通する概念(エッセンス)を分かりやすい事例を挙げながら説明する本となっている。本当に法律についてミリほども知らない初心者や初学者に向けて書かれており、憲法や会社法の株式に関して等中学の社会でも習うような内容もあるが、そこからさらに深掘りしてその法律の重要な根本の概念や原則、理論が分かるようになっています。
民事訴訟法や刑事訴訟法といった手続法がどういうものかということや民法には私的自治の原則*1があること、刑法で犯罪が成立するには3ステップあること等、新たに知ったことが盛りだくさんでした。私も気になっていた正当防衛に関する解説もあります。ねぇ知ってる? 民法の原則に則ると、先にその物を買うと約束しても後に買うと言った人がその物の所有権を取得することがあるんだって。一つの物を二度売るので二重譲渡って言われるんだって。これは何を以って所有権などの物権が移ったと言えるのか民法で明確に決まっているからなんだって。
ここから先のことは是非本を読んでみてね
以前紹介した「キヨミズ准教授の法学入門」が法律を学ぶ(法学)者に対する本に対して、本書はより実践的な本となっています。法学初学者のみならず、これから法律を学ぶわけではないけど社会人として法律の概念を知っておきたいという人にもオススメです。この本はその入り口になると思います。
法律に関する本はこれまでも何冊か読んだが、法律を「興味深い」と思うことはあっても「面白い」と思ったのはこの本が初めてだと思う。この本を読んで「あぁ、この前読んだあの法律の本で言ってたのはこういうことだったんだ」という気づきもあったし。もっと気になる法律に関する本を読んでみたいですね。
以上、日本一やさしい法律の教科書でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。
*1:権利の取得や義務を負うのは自らの意思に依らなければならない