今回の本はコチラ↓。
失敗の科学
失敗しないためにどうするかという話ではなく、失敗することの必要性や人が失敗を受け入れられないメカニズムについてたくさんの事例をもとに説明する本となっている。航空業界、医療業界、刑事司法制度、政策、企業組織等、ミスが大きな損失を生み出す業界を例にいかにしてその失敗が起きたのか、その後どうのように対処してきたかという経過等をいくつも見ていくことで、失敗をどうやって自分たちの糧にしていくかの手法を学んでいく流れになっている。本書の終盤にもある通り「失敗から学ぶ」という言葉は聞き飽きるほどありふれた教訓だけど、実はそれが奥が深いほどの意味を含む重要な教訓であることを改めて思い知らされます。
緊急時の時間感覚、生存者バイアス、認知的不協和、RTC(ランダム化比較試験)、非難etc……と失敗を糧にする上で考えたいキーワードがたくさんでしたね。暗闇の中のゴルフというのもなるほどな~ってなりましたね。
事例に対して海外のドキュメンタリー調にその背景や経過などの状況説明を細かくしてくれるので、なんというか昔テレビで観てた「世界まる見え!テレビ特捜部」を観てる気分でしたw。そして昔読んだ「Think Clearly」「Think Smart」にも書いてあった内容もいくつか見つけたので、多分この2冊は本書の影響を受けてるもしくは参考文献として使用してると思われ。
世界の終末を予言したとあるカルト教団に潜入した科学者の話があるのだが、その終末の日が何事もなく終わった時、つまり予言が外れた(失敗した)時に信者たちは何と言ったか……話の内容そのものも面白かったけどここからも学べるものがあるというのもまた面白かったですね。
それでその信者たちは結局なんて言ったんですか……?
それは実際に読んで確かめてみてね。
あまり具体的なことを書くとネタバレになるので伏せるが、実践してみたい手法も多々書かれていたので、これによって仕事やプライベートでのミスに対しても少しはポジティブに捉えられるかもしれない。同時にプライベートでも小さな失敗は承知でもっと色々挑戦してみてもいいかもしれないって思えましたね。
普段ビジネス書はあまり読まないんだけど、こういう事例を沢山挙げてそこから言えることを学ぶ形のビジネス書は好きだし実際学ぶことがたくさんあったので、これは久々に良書と思える本で出会えました。
以上、失敗の科学の話でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。